本来、人間が干渉しなければ存続していたであろう土地本来の森を復元する為には、
15年・30年・50年後を見据え植生の変遷を予測しながらケアする「植生シナリオ」が必要となります。
その植生シナリオの判断材料として必須になるのは、
出現する植物の種類と出現傾向や環境を記録する「植生調査」です。
植樹終了後も経年観察を続けることでシナリオ通りに誘導できているか、
外的干渉により植生の移り変わりが歪められていないか、追跡調査します。
今回も神奈川県のコア事業として手掛ける湘南国際村めぐりの森で2年経過後の植樹地を
代表理事である植生管理士(環境省・農林水産省認定)の川下都志子にて、
森林再生指導員三期研修生と調べました。
定期的な育樹のメンテナンス作業中に誤って苗木が刈られていたことが明白となり、
追加のケアを今後、検討していきます。
土地本来の森の復元過程は、
基本的には3~5年間、育樹メンテナンスをすれば自立します。
その後、維持費要らずのメンテナンスフリーとなりますが経過をきちんと管理することで
誤った着地点に植生が誘導されていないか確認が必要です。
また、植生シナリオには土壌生物調査も必要で見えている陸上と見えない地下部の
生物の生存傾向や種数が大切なキーポイントとなります。
皆さんが力添えくださった植樹地は、
私たちが責任をもって本来の目的である土地本来の森の復元に繋がるように護らせていただきます。
ヒメユズリハ
次世代へ潔く葉を交代させることから、
世代継承の縁起の良い木として、昔から神棚などに供えられてきました。